20.遠景の描写・撫子

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/29    作家 : 遠田志帆(えんたしほ)
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1.人物の奥にある撫子の描写


地道に全ての花を全て描ければ一番良いのですが、人物の奥にある花はそれほど綿密な描写が必要ではないので、手前の花をコピーして増やしていきます。

(1)撫子を統合する前のファイルから撫子の花のレイヤー(「花手前」レイヤー)を全選択([Ctrl]+[A]キー)し、コピー([Ctrl]+[C]キー)します。

(2)描画中のファイルに戻り、貼り付け([Ctrl]+[V]キー)をすると、現在のファイルに「花手前のコピー」レイヤーが追加されます。レイヤーの位置は見やすいようにテクスチャの上に配置します。


(3)[投げなわ選択]ツールで花をひとつ選択し、[編集]メニュー→[移動と変形]を使って、位置や大きさ、向きを調整します。


(4)花をひと通り配置し終えたら、レイヤーの並び順を変更します。
「花手前のコピー」レイヤーを人物のレイヤーの下に移動しました。


(5)茎・葉は、手前の茎や葉を描いた15.撫子の茎の描写と同じように描いていきますが、手前の葉や茎と比べて濃淡はあまりつけずに、薄い色で描写します。

奥の撫子が描写できました。



2.雲の描写


背景の空に雲を描きながら、全体の色合いを調整していきます。

(1)新規レイヤーを作成し(「雲」レイヤー)、カスタマイズした[ふわ塗り筆]のブラシサイズを「126」くらいまで大きくしたもので描いていきます。


(2)「雲」レイヤーの上に「雲影」レイヤーを新規作成し、雲に当たる、太陽のオレンジの光を描写していきます。



3.撫子の花を増やす


撫子の量を増やします。

(1)手前の撫子を統合したレイヤーを複製(「手前撫子のコピー」レイヤー)し、[編集]メニュー→[移動と変形]→[左右反転]で反転します。
このレイヤーを下方向に移動します。このとき、複製したレイヤーが「手前撫子」レイヤーの下になるように、レイヤーの順番を調整します。

撫子の量が一気に増えました。


(2)「手前撫子のコピー」レイヤーの、余分に感じた部分を消して、花の量を調整します。


(3)撫子をさらに増やします。人物の奥にある撫子のレイヤーを複製し、左右に移動して増やします。
増やした分は不透明度を下げ、空に溶けていくように見せました。

 

作者プロフィール:遠田志帆(えんたしほ)  (サイトURL:http://www17.plala.or.jp/shiffon/

秋田出身埼玉在住のイラストレーター。主な絵仕事は壁井ユカコ「14f症候群」「NO CALL NOLIFE」、綾辻行人「Another」(角川書店)、柴田よしき「朝顔はまだ咲かない」(東京創元社)、「百合アンソロジーひらり、」(新書館)表紙等。「公式IllustStudioステップ バイ ステップ」(ワークスコーポレーション)でメイキングを紹介。

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