提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
閲覧数 : 10058回 総合評価 : 1件

髪、肌、瞳、服、などの各部位を、それぞれ基本となる色で塗りつぶします。

1.部位ごとに塗り分ける

髪、肌、瞳、服、などの各部位が、それぞれの色で塗りつぶされたレイヤーを作成します。

(1)[レイヤー]パレットから「線画」レイヤーを選択し[参照レイヤーに設定]を実行します。

(2)各部位ごとのレイヤーを新たに作成します。[新規ラスターレイヤー作成]ボタンをクリックし、部位の数だけレイヤーを作成します。レイヤー名は各部位の名称に変更します。

塗りつぶし

(3)[塗りつぶし]ツールなどを使い、各部位を任意の色で塗りつぶします。髪の部分は髪レイヤーに、肌の部分は肌レイヤーにと、部位ごとのレイヤーに塗り分けていきます。この下塗り作業には主に、[塗りつぶし]ツールと[閉領域フィル]ツールを使用します。各ツールの使用方法を次項で説明します。

■塗りつぶしツールで塗りつぶす
[塗りつぶし]ツールを使って、下塗り用のレイヤーに大まかに着色します。

(1)[ツール]パレットから[塗りつぶし]ツールを選択し、[ツールセット]パレットで「主線を参照」を選択します。

(2)今回は、選択したツールセットから[ツールオプション]を上図のように変更します。

塗りつぶし

(2)[カラー]パレットで各部位の色を設定し、[塗りつぶし]ツールで各レイヤーに描画します。[ドラッグで同じ色を塗りつぶす]オプションをオンにしておけば、ドラッグすることで複数の閉じた領域を、連続して塗りつぶす事ができます。

■閉領域フィルツールで塗りつぶす
[塗りつぶし]ツールで塗りつぶせなかった場所などの細かい塗り残しを、[閉領域フィル]ツールを用いて塗りつぶします。

(1)[ツール]パレットから[閉領域フィル]ツールを選択し、[ツールセット]の「主線を参照」を選択します。

(2)今回は、選択したツールセットから[ツールオプション]を上図のように変更しました。

閉領域フィル

(3)[カラー]パレットで各部位の色を設定し、[閉領域フィル]ツールで 各レイヤーに描画します。

■[ベクター中心線まで含める]オプションで、アンチエイリアスの下まで塗りつぶす

塗りつぶし

[塗りつぶし]ツールで塗りつぶした場合に、上図のように主線の輪郭が白く塗り残されてしまうことはないでしょうか。これは半透明を別の色と認識してしまい、アンチエイリアス部分が塗りつぶせないことから生じる問題です。主線のふちには、境界を滑らかに見せるために、半透明のピクセルでグラデーションがかかっています。これをアンチエイリアスといいます。

アンチエイリアス

[塗りつぶし]ツールなどを使用する際には、このアンチエイリアスの処理がよく問題になります。この解決策として、IllustStudioには様々なオプション機能が実装されています。[色の許容誤差]調整機能、処理範囲の拡縮機能などがそれに当たります。
今回はその中から、[ベクター中心線まで含める]オプションを紹介します。[ベクター中心線まで含める]オプションとは、ベクターレイヤーに描かれた線の中心まで、塗りつぶしなどの処理を行える機能です。

[ベクター中心線まで含める]オプションは、ベクター線がある場合にのみ使用できます。使用する時は[ツールオプション]で[複数参照]をオンにし、[ベクター中心線まで含める]をオンにします。

ベクター中心線まで含める

上図はベクター線の円を参照して、[ベクター中心線まで含める]オプションを用い、塗りつぶしを行った例です。ピンク色の線がベクターの中心線です。円は半透明で表示しています。図の通り、ベクター線の中心まで塗りつぶされるため、アンチエイリアス部分が塗り残される心配がありません。

2.下塗りレイヤーをクリッピングフォルダ化

部位ごとに下塗りしたレイヤーをそれぞれ、クリッピングフォルダ化します。クリッピングフォルダとは、フォルダ内のレイヤーの表示領域を、フォルダ内の最も下にある表示レイヤーの不透明領域に限定する機能です。着色時に、下塗りした領域内からはみ出さないようにするために使用します。

(1)[レイヤー]パレットで下塗りしたレイヤー(髪、肌、服などのいずれか)を選択します。

(2)[レイヤー]パレットの[メニュー表示]から[クリッピングフォルダ化]を選択します。
同様の手順で全ての下塗りレイヤーをクリッピングフォルダ化します。

すべての下塗りレイヤーがクリッピングフォルダ化されました。

POINT
[クリッピングフォルダ化]以外にも[下のレイヤーでクリッピング]という機能があります。


この機能では、フォルダを作らずに、下のレイヤーに対してクリッピングします。
下図の状態で描画すると、「B」レイヤーは「A」レイヤーの描画範囲にクリッピングします。
多重クリッピングはできませんが、少ない枚数で描画する場合などに有効です。

 

3.描画用レイヤーの作成

クリッピングフォルダ内に、以降の作業に必要となるレイヤーを新規作成します。

「影」「色」「グラデ」という名称のレイヤーを、上図のような構成で各部位ごとに作成します。各レイヤーの使用方法は、のちほど詳述します。

下塗り

POINT
たくさんのレイヤーに[クリッピングフォルダ化]を設定する場合は、予めアクションに登録しておくと、何度もメニューを選択せずに済むので便利です。

また、今回のようにクリッピングフォルダ内に「影」「色」など、決まったレイヤーを作成する場合は、アクション内にレイヤー作成まで含めてしまえば、作業効率はさらに上がります。

コメント
翠河 2014/04/01 19:15
勉強になります