[1]アヒルのおもちゃのモデリング①

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
閲覧数 : 20285回 総合評価 : 1件

1.下絵&モデリングの準備
2.ボディのモデリング
3.くちばしのモデリング

1.下絵&モデリングの準備

 

(1)まずはモデリングするアヒルのおもちゃの資料を集め、下絵を作成します。 基本図形(四面体)を作成して参照用のテンプレートオブジェクトを作成します。 作成後すぐに、上部メニュー[選択部処理]→[面の反転]を実行して面を反転させてください。 そして、画像の位置の辺を選択→削除してポリゴン面を半分に減らしましょう。 正面、側面、上面の下絵を用意しましたので、それぞれの視点変更に合わせて下絵が切り替わるように テンプレートオブジェクトを設定します。

 

(2)次に材質を3つ作成し、それぞれテクスチャを読み込みます。
材質「下絵_正面」に「あひる正面.bmp」
材質「下絵_上面」に「あひる上面.bmp」
材質「下絵_横面」に「あひる横面.bmp」を登録、材質を[Constant]にします。

 

(3)材質を作成したら[F3]キーを押して正面視点に切り替え、見えているポリゴンに左部メニュー[コマンド]→[面]→[材質(M)]を 使用して材質を適用します。同様に[F1]キーを押して側面、そして[F2]キーを押して上面にポリゴンにそれぞれ材質を適用します。 これで視点変更に合わせて下絵が切り替わるようになりました。 材質は適用されましたが、(1)の工程で、面を反転したときUVも反転されてしまっているのでUV編集モードに入り、材質「下絵_正面」が 選択下にあるのを確認して、正面の面を選択状態にして[UV操作]パネル→[フリップ]をクリックしてUVを反転して下さい。 同様の操作を側面、上面にも行います。

 

これで視点操作と下絵が合うようになりました。テンプレートオブジェクトは編集不可にしておきましょう。

2.ボディのモデリング

 

(1)まず新規材質、色は黄色、透明度を「0.6」としたものを作成し、その材質で基本図形(球)を分割数「4」 [全ての面を四角形にする]にチェックを入れて作成して下さい。

 

(2)[全ての面を四角形にする]を使う理由ですが、このオブジェクトは最終的に曲面タイプ[Catmull-Clark]を使用して、滑らかな曲面を 得る予定です。[Catmull-Clark]は三角形ポリゴンも自動で分割して曲面化してくれはしますが、三角形ポリゴンが曲面化時、しわの 原因となる事も多く、曲面化モデリングでは極力、四角形ポリゴンを使用するようにする為です。 モデリング中に出来た三角形ポリゴンは[ワイヤー]ツール→[ 辺消去で四角形化 ]を使い、三角形ポリゴンを四角形ポリゴンに 変換していきます。どうしても四角形ポリゴンにならないところがありますが、できるだけ四角形ポリゴンへの変換を行う事を 心がけてください。

 

(3)作成した球をあひるの頭の部分とします。下絵を参考にリサイズ、位置合わせを行います。

 

(4)別レイヤーに同じ球を作成し、今度は体のベースにします。下絵からリサイズ、位置合わせを行います。

 

(5)次に2つの球を1つのレイヤーにまとめ、頭と体の接合部分になるポリゴンを削除して頂点マージを行う準備をします。 体の部分の球を[ナイフ]ツール、[接続面を連続切断]を使用して分割を上げ、頭の部分の分割と体の分割をなるべく合わせます。

 

(6)このオブジェクトにX軸ミラーリングを設定して、頭と体の境界の頂点を右クリックマージでくっつけていきます。

 

(7)マージ後、図の部分の面を少し押し出して成形しておきます。これがお尻の部分のでっぱりになります。

 

(8)オブジェクトの分割を上げつつ、下絵を参考に頂点の位置を調整していきます。

 

(9)3つの視点での下絵にオブジェクトが大まかに合ってきたら、あひるの羽になる部分の分割数を上げる為、正面視点を 参考に[ナイフ]ツール→[ナイフで面を切断]を[Shift]キーを押しながら使用して、真っ直ぐ分割していきます。

 

(10)ナイフで入れた分割を基点に羽の部分を成形していきます。[ナイフで面を切断]で出来た分割は、あまり綺麗な流れを作る事は 出来ませんので、右クリックマージで頂点を減らしたり、[ワイヤー]ツール→[ 辺の間に頂点挿入]で頂点を増やしたりして面の流れを 作成して行きます。

「どのように流れを成形するか」ですが、羽の外枠のポリゴンがリング状になるように成形するのがポイントです。 このようにすると曲面化を設定した時、この部分にナイフ[接続面を連続切断]を使用してエッジを立たせたりする事が できるので便利です。 少々成形が難しいかもしれませんが、サンプルデータを参照してポリゴンの流れを修正していきます。

 

(11)ここまでで、あひるボディの形は大体出来ているかと思います。 ここから最終的な調整をしていくためにボディの材質を不透明、そして曲面タイプ[ Catmull-Clark ]を[分割数]「2」で設定して下さい。 材質を不透明、曲面化を設定したことでポリゴン表面の状態が良く分かるようになったと思います。 思ったよりガタガタしていたり、しわになっている箇所がきっと見つかるでしょう。 その箇所の頂点をしわを取ったり段差を無くし、滑らかな曲面になるよう[移動]ツールを使い頂点を移動させて下さい。 視点変更をすると今まで良く見えていた箇所も、実は面がガタガタになっていたという事も良くあります。 マウスでの視点操作を行いつつ、色々な角度から頂点を成形します。 この作業には、時間がかかると思いますがとても大事な工程です。 平面であれば[頂点の位置を揃える]で取れたしわも、曲面は手作業で取っていくしかないのです。

 

(12)さらに成形を行いつつ、画像の位置、首と胴体の境界や胴体と羽の境界に、[ナイフ]ツールの[接続面を連続切断]を 使用してエッジを立たせる分割を入れます。エッジを立たせすぎると鋭角になりすぎてモデルのイメージを壊すのでエッジ間の間隔を狭くしすぎないようにします。 完成したオブジェクトは「ボディ」とリネームして編集不可にしておきましょう。

 

3.くちばしのモデリング

(1)新規材質を作成し、色はオレンジ、透明度を「0.6」とします。その材質を使用して基本図形(四面体)を作成します。 [基本図形]パネル内の[詳細設定]をクリックして、[基本図形の作成]パネル内の[X方向]と[Z方向]の[分割数]に 「4」を入力して[基本図形]パネル内の[作成]をクリックします。

 

(2)下絵を参考に四面体をリサイズ、X軸へのミラーリングを設定、上のくちばしに大まかに形を合わせて行きます。 必要だと思えば[ナイフ]ツール、[ワイヤー]ツールで分割を上げつつ作業を行います。 最後に曲面化を設定しますので、なるべく三角形ポリゴンが少なくなるように成形します。

 

(3)先ほど作成したくちばしを利用して、下のくちばしを作成します。コピー&ペーストで別レイヤーに同じオブジェクトを複製 [拡大]ツールにて、[Y軸]に「-1」を入れスケール後、面を反転します。この操作でY軸に対しての鏡像にすることが出来ます。

 

(4)下絵を参考して、このオブジェクトを下のくちばしに成形していくのですが、頂点の多いオブジェクトをいじっていくのは 少し骨が折れます。そんな時に使ってほしいのが[格子変形]や[マグネット]ツールです。[格子変形]は今までも何度か 登場しましたが、オブジェクトを大まかに変形するには、一番適したツールです。選択頂点のみに作用するので部分的な 調整にも使えたりします。[マグネット]ツールは初登場ですが、頂点をまとめて操作できる移動ツールだと思って間違いありません。 影響範囲を設定しないと上手く機能しないので、使い勝手が悪いように感じるかもしれませんが、対称モデリングにも 対応していて便利なツールです。

 

(5)[格子変形]や[マグネット]ツールでおおまかに成形後、[移動]ツールで微調整を行って、下のくちばしも完成です。

 

(6)ボディの時と同じように、2つのくちばしを1つのレイヤーにまとめ、材質を不透明にして、曲面タイプ[ Catmull-Clark ]を [分割数]「2」で設定します。 しわなどが判断しやすくなった状態でさらに作り込みを進めます。上下のくちばしは別々のオブジェクトでも良いのですが 私は1つのオブジェクトとしてマージする作業を行いました。これでくちばしは完成です。完成したオブジェクトは「くちばし」と リネームして編集不可にしておきましょう。

コメント
コメントはありません