提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
閲覧数 : 100843回 総合評価 : 4件

正中線上の頂点の位置・形が大体定まり、[F1]キーで横から見た時のラインがまとまってきたら、今度は顔全体を整えにかかります。

 

1.頂点の移動

 

(1)[編集オプション]で[点]のみをオンに設定、また、基本的に編集方向は[Z]のみにしておきます。(奥行き方向以外に調整する必要がある場合は適宜切り替えます。)

 

(2)画面右ドラッグで視点を変えながら[移動]ツールで頂点をクリック、Z軸(奥行き)方向に移動。

ここでは、少し見上げる角度で、おでこの頂点を動かしています。

 

(3)再度視点を変えて微調整…これを繰り返して顔に凹凸をつけていきます。

 

 

 

奥行き方向の頂点移動は、視点移動と微調整を繰り返しながらの地道な作業になります。以下の動画では移動ツールのみ使用した作業例です。

2.マグネット機能

 

調整の基本は、根気よく丁寧に、頂点一つ一つを動かすことです。しかし、もっと大雑把に、多くの頂点をまとめて動かして調整できる、楽で早い方法も当然用意されています。

[マグネット]機能は、絵を描くブラシのように、円形のブラシを使って複数の頂点を動かすことが出来るツールです。この機能を使えば、頂点が多いモデルもやわらかく形を整えることが出来ます。
(便宜上ブラシと呼んでいますが、正確にはブラシではありません。マグネットの影響範囲です。動くのは頂点だけで、2Dお絵かきソフトのブラシのように柔らかく変化する訳ではありません。過度の期待は禁物です)

(1)[コマンド]パネルから[マグネット]を選択します。ショートカットは[B]。

 

(2)このツールは使う前に、マグネットパネルでブラシの大きさを調整します。パネルの一番下の[ドラッグで範囲指定]を選び、「頂点の上で」左ドラッグします。線で描かれる円が、ブラシの大きさになります。

 

 

(3)先ほど調整した正中線を動かしたくない場合には、予め[範囲選択]ツールで調整済みの頂点以外を選択しておきます。

 

(4)[マグネット]パネルで[選択頂点のみ]のチェックをオンにして、頂点をドラッグすると、範囲内の頂点もドラッグした頂点に合わせて緩やかに移動します。
(編集方向を[Z]軸方向に限定したままです。)

 

ほほのライン、眼窩の窪みを[マグネット]で調整します。

 

3.格子機能

 

ある程度成形が進んできた段階で、「あごが前に出すぎている」、「顔が平面的すぎる」など、顔全体のバランスを動かしたい場合には[格子変形]機能を使います。モデルを箱で囲み、その箱を変形させることで中に入っている頂点を一緒に変形させます。
このツールは使用方法が少し特殊で、①箱を用意する②箱を変形させる、の二段階に分けて動作します。

(1)前準備として、変形させたい頂点(あるいは面)範囲を選択しておきます。([選択範囲]で全て選択するか、[Ctrl]+[A]で全選択)

 

(2)[コマンド]パネル→[格子]を選択します。

選択直後は[格子変形]パネルで[初期配置]がONになっています。動かしたい部分が選択状態になっていれば、パネルの[選択フィット]を一押し。選択した頂点や面を囲うように水色の箱のサイズが調整されます。

 

POINT

[選択フィット]以外にも、画面上に[Scale]や[Move]ボタンで変形する範囲を手動で調整できます。ただし、[選択フィット]よりも難易度は高くなります。

 

(3)準備が出来たら、格子変形を行います。パネルのボタンを[初期配置]から[変形]に切り替えます。

水色のボックスの角に頂点表示がつき、ドラッグでこれを動かす事が出来るようになります。

 

(4)ここでは、この[格子]機能で、顔の鼻から耳への流れを全体に後ろへ傾け、上から見た時に断面が三角形になるようにします。
[編集オプション]の[範]がONになっていれば、複数の角を同時に選択し、動かすことが可能です。

[コマンドパネル]→[編集オプション]の[範]をONにし、格子右側の頂点をすべて囲みます。

 

(5)移動ハンドルが表示されるので、青いハンドルを奥方向にドラッグします。

 

上面視点(F2)に切り替え、三角形に近い形になっていればOKです。

 

POINT

[格子変形]パネルの[詳細設定]で[分割数]を上げると、ボックスがいくつにも分割され、より細かく変形させることができるようになります。

コメント
コメントはありません