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第1回 DigitalLoca3とStylosを使って背景を作成

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
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「Stylos」は原画・動画を作成するためのツールですが、個人でアニメを制作する際など、簡単な背景の作画にも活用できます。
今回は、「DigitalLoca3」と「Stylos」により3Dデータをベースに、効率よく背景を作成しましょう。

 

(1)3Dモデルの読み込み

ここでは「ComicStudio 4.0」に収録されている3Dデータを使用して、自転車置き場の背景を作成します。

まず[DigitalLoca3 for Stylos]のアイコンをダブルクリックして起動します。次のような画面が表示されます。

今回は、3Dから背景を作成するので、3D素材として、「ComicStudioPro/EX 4.0」または、「3Dデータコレクション vol.1 学校」に収録されている素材、[校庭施設]→[自転車置き場(片側)]→[データ名:bicyclepark_single.lwo]を使用しています。

画面上に[キャスト]というウィンドウがあります。その中の[model]タブをクリックします。
クリックすると、空白の欄が999個表示されています。そこへデータの読み込みを行います。
空白の欄を右クリックし、[読み込み]を選択すると、[モデルファイルの読込み]ダイアログが表示されます。

bicyclepark_single.lwoを指定し、[開く]をクリックします。
[ImportOption]ダイアログが表示されます。

ここでは、[ワークビュー]へモデルを挿入したときに、[ワークビュー]上に表示するモデルの大きさを設定できます。
初期設定は1ですが、必要に応じて設定を変更し[OK]をクリックします。
空白欄にデータの名前が表示され、読み込みは完了です。

[ワークビュー]へ表示するには、[スコア]ウィンドウに、先程読み込んだモデルを呼び出す必要があります。
[キャスト]ウィンドウの[model]タブに表示されているデータ名を選択し、[スコア]ウィンドウの灰色部分の空欄のところ(ここでは2)へドラッグします。

[スコア]に表示するモデルを登録したら、キーフレームを挿入します。
キーフレームを挿入することにより、モデルを画面表示したり、動かしたりすることができます。
キーフレームは、白い空欄の部分を右クリックし、[キーフレーム設定]→[全て]を選択します。
キーフレームが挿入され、[ワークビュー]ウィンドウにもモデルが表示されます。
クリックしたフレームにキーフレームが挿入されるので、一番初めから表示したい場合や、静止画を制作する場合は一番左の枠にキーフレームを設定します。

 

(2)3Dモデルの配置

[ワークビュー]ウィンドウの上方にあるコマンドボタンを使いながらモデルの配置を決めていきます。
コマンドボタンの各機能は下記の通りです。

2Dレイアウト切替

ワークビューの表示画面を[2Dレイアウト]に切り替えます。

4画面表示

ワークビューの表示を4画面、または1画面に切り替えます。
4画面表示の場合、それぞれ異なる視点方向から表示できます。

グリッドの表示

ワークビューにグリッド(網目)を表示します。
グリッドは3次元空間の中心から地平線上に表示します。

中心点の表示

ワークビュー上にある3Dキャストの中心点を表示します。

リンクの表示

ワークビュー上にあるキャストのトラック間でリンクした状態をラインで表示します。

アタッチ・スキンの表示

ワークビュー上にあるモデルキャストのアタッチタイプグループとスキンタイプグループの形状を表示します。

境界ボックスの表示

ワークビュー上にあるモデルキャストを簡易形状(境界ボックス)で表示します。
キャスト配置が多数になる場合など境界ボックス表示にすることで作業がしやすくなります。

パース切り替え

ワークビューの3次元表示をパース有り(OFF)/無し(ON)に表示します。
パース有りは奥行きを把握したい場合に、パース無しはキャストの正確な配置を把握したい場合などに便利です。

視点の前後移動

ワークビューの視点位置をドラッグ操作で前後方向に移動します。
視点移動はマウスの上下ドラッグで操作します。
※4画面表示時は、視点移動したい画面をクリックしてから操作します。
※Shift+Ctrlキーを押しながらマウスをドラッグしても同様の操作が可能です。
※カメラキャスト視点上では実行できません。

視点のスライド移動

ワークビューの視点位置をドラッグ操作で上下左右に移動できます。
視点移動はマウスのドラッグで操作します。
※4画面表示時は、視点移動したい画面をクリックしてから操作します。
※Shiftを押しながらのマウスをドラッグしても同様の操作が可能です。
※カメラキャスト視点上では実行できません。

キャスト選択

ワークビュー上にあるキャストをクリックすることで、関連するキャストトラックを選択(検索)します。
クリックした部分にキャストが1つだけある場合、そのキャストを選択します。
クリックした部分にキャストが2つ以上ある場合は、クリックした場所にあるすべてのキャストの名前をリスト表示します。
リストから選択したいキャスト名をクリックすることで、トラックに登録した目的のキャストを選択できます。
キャストを選択するとボタンはOFFになります。
※Ctrlキーを押しながらキャストをクリックしても同様の操作が可能です。

コマンドボタン(キャストレイアウト系)

主に、キャストの設置位置・回転値を設定するコマンド群です。
該当のボタンをONにして、表示画面上の対象3Dキャストをマウスでドラッグしてレイアウト操作します。

コマンドボタン(拡大縮小系)

主に、キャストの大きさを拡大・縮小するコマンド群です。
該当のボタンをON状態にして、表示画面上の対象3Dキャストをマウスでドラッグしてレイアウト操作します。

コマンドボタン(環境設定)

主に、ワークビューの機能設定を行います。

マウス感度

ワークビューでのマウスのドラッグによる操作スピードを設定できます。
1/10から10倍までのスピードが選択可能です。初期設定は1です。

視点切換ボタン

表示画面の視点アングルを切り替えます。
視点アングルは4画面表示で個別に設定することが可能です。
ボタンを押すと選択可能なアングルを一覧表示します。

レンダリングモード切換ボタン

表示画面のレンダリング方式を切り換えます。
レンダリング方式は各視点表示で個別に設定することが可能です。
下図では、4画面それぞれに異なる描画方式で表示しています。
4画面表示であれば、上左右カメラなど複数の画面を4枚表示できます。

視点を切り替えながら位置を確認し、モデルの配置が完了したら、カメラの配置をします。

 

(3)カメラの配置

カメラ配置もモデルを配置した時と同様に移動します。
視点切換ボタンをカメラ画面表示に設定し、カメラのキーフレームまたは、ワークビューに置かれたカメラのモデルを選択した状態で移動ツールを使用すると、画面を見ながら調整できます。
カメラは保存後、「Stylos」などで元になる3D画面になります。

カメラの配置が完了したら、モデルの陰影をはっきりさせたいので、光を当てます。

 

(4)光源の挿入

光源の入れ方は、先程モデルを読み込んだ時と同じように、[キャスト]→[light]タブの空白欄を右クリックします。

[新規作成]→[平行光]を選択します。

作成した[平方光]をスコアへドラッグ&ドロップします。
[平方光]を左クリックし、[スコア]の灰色部分までドラッグします。

[スコア]の空白欄を右クリックし、[キーフレーム設定]→[全て]を選択し、キーフレーム挿入をします。
その後、光の位置を調整します。
[ワークビュー]の画面表示をシェーディング表示で見るとわかりやすいでしょう。

最終確認をするため、[ステージ]を表示します。
[表示]メニュー→[ステージ]を選択すると保存後の画面を確認できます。

保存後は、ワークビュー上の「カメラ」から表示している画面がそのまま反映されます。

確認が終わったら、保存します。
「DigitalLoca」では、データの保存形式にはDigitalLocaプロジェクトファイル(*.lcp)とStylosExportfile(*.mxs)の形式があり、「Stylos」で使用する場合はStylosExportfile(*.mxs)形式で保存します。
[プロジェクト]メニュー→[プロジェクトに名前を付けて保存]を選択します。
ファイルの種類はStylosExportfile(*.mxs)を選択し、名前をつけて保存します。
これで3Dの元背景ができました。次に「Stylos」で背景を書き起こします。

 

(5)「Stylos」で線画の作成

「Stylos」を起動し、ライトテーブルパレットに先程作成したプロジェクトを登録します。

登録の仕方は、まずライトテーブルパレットの(登録)ボタンを押します。

[ファイルを開く]ダイアログが表示されます。作成したファイルを選択し、[開く]をクリックします。
[ライトテーブルパレット]ツールから[登録]ボタンをクリックし、作成した(*.mxs)を配置。
登録した背景を元にベクター作画レイヤーでトレースをしていきます。

[ライトテーブルパレット]ツールに登録すると、画面上のピンク枠内に先程作成した自転車置き場が表示されます。

元になっている3Dの表示が濃いため、線を見やすくするために少し不透明度を下げます。
[ライトテーブル]パレットに先程作成した3Dモデルのデータ名が表示されています。
そのデータが選択された状態で、パーセンテージ(%)の書かれているスライダを上下すると、不透明を変更できます。

補足したい部分等を確認しながらトレースを進めます。
背景画が完成しました。次は色を塗ります。
「PaintMan」で色を塗るために、書き出しをします。

描いた背景の線画を開いたまま、[ファイル]メニュー→「書き出し」→「仕上げ」を選択します。

[仕上げ書き出し]ダイアログが表示されるので、[ラスター2値化]にチェックを入れ、線と線の間が無いよう、線幅を調節し、[OK]ボタンをクリックします。

名前を付けて保存します。

 

(6)「PaintMan」での着色

「PaintMan」を起動します。

ファイルブラウザをツール表示したら、背景の線画のファイルを開きます。
[フィル]ツールなどで着色します。

完成後はこのようになります。

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