イラスタ・コミスタ3D使いこなし術

[1] はじめに

3Dはもはや難しくない。

3DCGというと、どうしても難しく捉えてしまう方が多いようです。特にイラストや漫画を描くのが得意な人は、3Dに拒否反応を示す方が多いのかもしれません。あるいは、3Dに興味はあっても専門的で難解な知識を学ばないとならないのでは?と躊躇されている方も大勢いると思います。実はもはやそんな時代ではなくなってしまった事をあなたは知らなくてはなりません。

なるほど数年前なら、3Dを扱うにはそれなりに難易度の高い知識とテクニックが必要だったと言っていいでしょう。
もちろん今でもハリウッド映画のようなCGアニメーションやジャパニメーションに見られる巨大ロボの戦闘シーンを作成するには、多くの鍛錬が必要かもしれません。
でも、3Dの非常に便利な部分をいいとこ取りする事は実はそれほど難しいわけではありません。

コミックスタジオ(以下コミスタ)やイラストスタジオ(以下イラスタ)のユーザーならばもっとも簡単に3Dを利用する事ができます。

あなたの2Dクリエイションに3DCGのエッセンスをほんの少し加える事が可能なのです。
それはダイナミックで先進的な効果を加えるばかりか、慣れてくれば作業量を大幅に軽減する事になるでしょう。

3Dを利用する利点

かつてSF漫画ブームの時代に、描いた一台の宇宙船を縮小コピーして、何枚も切り抜き、貼り付け、何十隻もの宇宙船を表現する技法がありました。ところが縮小コピーゆえに同じ向きになってしまい、するどい読者からは手抜きと指摘される事も少なくなかったとか。

コミスタやイラスタの3D機能(3Dワークスペース)を使用すれば、それぞれ向きの違う宇宙船を宇宙空間にちりばめる事もできます。

こんな簡単で便利で効果的な能力をスルーしてしまうのは、あなたのクリエイションにとってもったいない事です。3Dアレルギーのあなたもぜひこの連載を読んでください。とても簡単ないくつかの項目を学習するだけで、あなたの引き出しはぐっと増える事でしょう。生み出される作品は圧倒的にグレードアップする事でしょう。

3Dワークスペース使用例

①立ち並ぶ高層ビルの背景
ビルひとつひとつを好きな位置に立たせて、好きなアングルで漫画の背景などに使用する事ができます。


②複雑な建築物
漫画の中で何度も登場する複雑な建物もさまざまな向きで何度でも使用できます。


③ポーズ人形
キャラクターの複雑なポーズの下書きに役立ちます。


この連載ではコミスタやイラスタのユーザーの方はもちろんの事、それぞれのソフトの体験版でも体験できるようになっています。
購入をご検討の方はこれを機会に以下のサイトから体験版をダウンロードして、この連載をお読みください。

http://www.clip-studio.com/clip_site/download/download_top/index