素材の体験版的な利用についてですが、わたしは案そのものには賛成です。
ただ、dugaraonさまも仰っているように実際に素材をDLするやり方だと
それを悪用する人が出てくるなどいろいろと問題があるかと思います。
そのため素材をDLして体験版として使えるようにするのではなく
web上(CLIPサイトの各素材ページ)で試し書き(プレビュー)することができるような
そういう機能のほうがよろしいのではないでしょうか?
たとえば3Dではこうした3Dモデルを配布/販売している多くのサイトで
3Dプレビュー機能が存在します。
(参考:SketchUp 3D Warehouse
画面右側、素材情報の上のほうにある「
」をクリックすることでプレビューすることができます)また、フォントの場合もフォントのお試し入力(フォントシミュレーション)が存在します。
(参考:ダイナコムウェア社製品ページ
例として「DF唐風隷書体」のページも。こちらで実際にフォントシミュレーションができます)
そのためこうした機能をCLIPサイトでも取り入れることで
素材をDLすることなくweb上で試してみる→いいと思ったら購入するということができるかと思います。
┃ブラシならまんまweb上で動作するお絵かき機能(サイト?)をセルシス社も提供していますから
┃それを活用すればいくらでも対応できるはずです。
┃
┃問題はカラーセットやグラデーション素材、アクション素材などをどうするかですが…
┃(でもこの辺もたとえばクリスタのweb版みたいなのを作って
┃そこで試し書きするようにすればたいていの素材は対応できる気がします)



セルシスが提供する素材はともかく、一般ユーザーが提供する有償素材の試用については断固反対します。
理由は、悪質な「ただ乗り」を許してしまうからです。これをやられると、非常に困る有償素材提供ユーザーもいると思います。
まずご提案の「案4」についてですが、これについては論外です。
ペンや水彩他ブラシのように長く使う可能性のある素材が存在する一方で、イラスト画像が連続するブラシや、パターンや背景などの画像素材、3D素材の場合は「1~2回しか使用しない」というものが数多くあると思います。
たとえば「火鉢」素材でいえば、「たまたま火鉢が登場する場面があるので使いたいが、このあと使用する予定はまずない」といった場合、試用が認められれば正に「ただ乗り」が出来てしまいます。
また3D素材の場合、試用期間中に色々なアングルで2D画像として保存しておけば、試用期間後に3Dの機能が失われても十分に利用価値が生まれる可能性があります。まれにしか使わない素材であれば尚更です。
そしてイラスト画像が連続するブラシの場合でも、一旦使用すれば印刷に耐え得る解像度の「元画像」が手に入りますから、そこから自分でブラシを作れます。この方法の場合、CLIP STUDIO ASSETSサービス内でのサンプル画像をコピーした場合でも似たような事が出来ますが、当然解像度は低い為に悪用はかなり限定的になると思うので、同一視は出来ないと考えます。
またこれは、テクスチュアやシームレスのパターンにも同じ事が言えると思います。
次に「案2」でご提案のように、素材に「試用中」の文字を入れるというものですが、それでも問題は消えないと思います。
まず「試用中」の文字が大きかったり不透明であれば、実際使ってどうなのかがイメージしずらくなってしまい、試用品としての意味を成しません。逆に小さかったり透明度が高ければ、前述したように試用期間中に、後々つかえる元データを取得する事が出来易くなってしまいます。
また画像全体にノイズのようなものを掛けるという方法も考えられますが、たとえそうしたとしても、パターン(シームレス含む)の場合は大元のパターン部分のみが修復できれば良いし、テクスチュアの場合は完璧に修復しなくても使用可能だと思います。むしろ、どう修復しても実用に耐えないくらいのノイズが掛かっていれば、これも試用品としての意味がなくなります。
現在ではPhotoshopElementsのように、安価でもかなり手軽に修復が出来るソフトがありますからね。
また普段は使わない類の3D素材の場合、前述したように色々なアングルを2D画像として保存し、文字やノイズが入っているのでそのままでの使用は出来ないにしても、その画像をトレスして使う事が考えられます。
この場合でも、トレスすら出来ないほど元のデータが文字やノイズで隠されていれば、やはり試用品としての意味を成さなくなると思います。
また仮に「試用品が使われているファイルは保存や書き出し、印刷が出来ない」という縛りを加えたとしましょう。その場合、前述したイラスト画像ブラシやシームレスパターン等の元画像の保存は阻止できても、3Dデータのトレスまでは防ぎようがありません。出来るだけディスプレイ画面に大きく表示し、OS側の機能でキャプチャーしてそれを保存すれば、トレス元の画像としては十分でしょう。
使用頻度が高ければ「面倒なんで、ちゃんと購入しよう」となるでしょうが、本当に時たましか使わない素材の場合は、上記の方法で対応しようと考える人が出てもおかしくはないと思います。
いまや3Dデータは漫画・イラスト素材として確固たる地位を得ているので、たとえトレスでも無料で幾らでも再利用できてしまうのは問題です。
また、ペンや水彩他ブラシ素材についても問題があると考えます。
この手の描画ブラシは結局のところ、ブラシ先端形状とパラメーターの塊です。試用期間内に、これらを記録すれば再現できます。またそれを防ごうとして「試用期間中には、パラメーターやブラシ先端形状を表示させない」という風にしようと思えば、これはもうCLIP STUDIO PAINTのプログラム自体を変更するような大げさな問題になるのではないでしょうか。
そこまでして試用期間を設ける意義が、本当にあるのだろうかという事になってしまうと思います。
最後に。
冒頭にて「セルシスが提供する素材はともかく~」と述べました。
この意味としては、セルシスは資力のある企業として素材を提供しています。仮に試用品を悪用する輩がいるとしても、全員がそうではないでしょうから、トータルとしてみれば赤字にならない可能性があります。また仮になったとしても、素材はCLIP STUDIO PAINTを使用する大きな動機付けになるので、そのための経費と考えればやむ無しとなるかも知れません。
しかし一般ユーザーは違います。
私としては、有償素材が試用出来る事により素材の悪用が横行し、優良な素材がASSETSに出ずらくなってしまうのではないかと危惧します。