ブラシで線画にうまく色を塗れないのですが? | IllustStudioのよくある質問 | CLIP STUDIO

IllustStudioのよくある質問

更新日:2015/06/26 16:26:27
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描画

ブラシで線画にうまく色を塗れないのですが?

 
レイヤーの重ね順や、合成モードを変更するとうまく彩色できる場合があります。
また、白で塗りつぶされたレイヤーに遮られて、下のレイヤーが見えなくなっている可能性があります。

操作方法

線画の彩色がうまくいかない場合、以下のような理由が考えられます。
1から順に確認してください。

1.線画と同じレイヤーに彩色している
2.線画よりも重ね順が上のレイヤーに彩色している
3.線画の余白部分が「透明」ではないので、下のレイヤーに塗った色が見えない


1.線画と同じレイヤーに彩色している


紙に描いた絵と同じように、線画の上から色を塗ると、線画を塗りつぶしてしまいます。

そのため、線画とは別に彩色用のレイヤーを新しく作成して彩色する方法が一般的です。

■レイヤーの作成方法
(1)[レイヤー]パレットで[新規ラスターレイヤー作成]ボタンをクリックし、彩色用のレイヤーを作成します。

(2)新規で作成したレイヤーは現在選択中のレイヤーの一つ上に作成されるので、線画が上に来るように、レイヤーの並び順を変更します。

(3)[レイヤー]パレットで彩色用のレイヤーを選択した状態で、任意のツールで彩色すると、線画を残したまま色を塗ることができます。

POINT
IllustStudioには、「レイヤー」という概念があります。
レイヤーとは透明なフィルムのようなものです。別々のレイヤー(フィルム)に分けて描いた線画や彩色、背景を重ね合わせて、1枚の絵にする事ができます。


2.線画よりも重ね順が上のレイヤーに彩色している


線画と彩色用のレイヤーを分けていても、レイヤーの重ね順次第では、線画が塗りつぶされているように見えてしまうことがあります。
線画を残して彩色する場合は、彩色に使用するレイヤーが線画よりも下になるように配置して彩色します。

また、[レイヤー]パレットで意図通りのレイヤーが選択されているかも確認しましょう。


3.線画の余白部分が「透明」ではないので、下のレイヤーに塗った色が見えない


彩色用のレイヤーが線画よりも下にあるのに、色が塗れない場合(塗った色が見えない場合)は、線画の余白部分が「透明」になっていない可能性があります。
IllustStudioでは、「白」と「透明」が区別されます。キャンバスの白地の上では区別がつきませんが、白で塗られた部分では下に重ねたレイヤーの色が見えなくなります。

■キャンバスの透明部分を確認する方法
透明部分と白を区別するには、[レイヤー]パレットの[用紙]レイヤーを非表示にします。

・このとき、ピンク色の格子模様が見える領域は透明です。下のレイヤーに塗った色がそのまま表示されます。

・下図のように[用紙]レイヤーを非表示しても、キャンバスが白いままの場合、レイヤーが白で塗りつぶされています。この場合、いくら下にレイヤーを重ねても、白部分に遮られて見えなくなります。

あるいは逆に、「白」を意図した部分が「透明」のままだと、背景や他のレイヤーの色が透けてしまう、といったこともあります。

POINT
BMPやJPEGなど、汎用的な画像形式には「透明」を表現できないものがあります。
たとえば以下のような線画をBMP形式で保存すると、線画の「黒」の周りはすべて「白」で塗りつぶされた画像になります。

これをIllustStudioで開いて彩色する場合、新しくレイヤーを作ったとしても線画の周りの「白」に遮られて他のレイヤーに塗った色が見えない状態になってしまいます。そこで、白い部分が透明になるように処理が必要になります。

■白部分を透明にする方法
白で塗りつぶされた部分を透明にする(透過させる)にはいくつかの方法があります。

・[特殊なコピー]を利用する
①[選択]メニュー→[すべてを選択]([Ctrl]+[A]キー)で線画のレイヤーをすべて選択します。

②[編集]メニュー→[コピー]([Ctrl]+[C]キー)で線画のレイヤー全体をコピーします。

③[編集]メニュー→[特殊なコピー]→[白を透明にして貼り付け]または[色を不透明度にして貼り付け]を実行します。

④コピーした元の線画レイヤーを非表示にします。

※[白を透明にして貼り付け]は「完全な白(R:255 G:255 B:255)」の部分だけを透明に変換します。
少しでもRGB値や不透明度が異なる部分は元通り残ってしまいます。

余白部分が完全な白ではない場合や、線画に色の濃淡がある場合は[色を不透明度にして貼り付け]を利用します。この場合色によっては線画の不透明度が下がります。

POINT
[明るさ・コントラスト]や[レベル補正]フィルタなどで、全体的に画像の明るさを上げると、「白っぽい部分」を「完全な白(R:255 G:255 B:255)」にできます。 フィルタについて詳しくはIllustStudioトラの巻「フィルタの使い方~色調補正~」をご覧ください。

・レイヤーの合成モードを変える
手っ取り早く済ませる場合は、[レイヤー]パレットで線画レイヤーの[合成モード]を[乗算]か[比較暗]に変更すると、白い部分が透過されます。
この場合、白は消えずに残ったままですが、合成モードの効果により、白が透過され下のレイヤーの色が見えるようになります。

ただし、線画の色が薄いと下のレイヤーの色の影響を受けて線画の色が変わってしまいます。

※レイヤーの合成モードについて、詳しくはIllustStudioトラの巻「 レイヤーの合成モードの使い方」をご覧ください。

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