アナログでインクで描いた線画は、線のフチに若干のにじみが生じます。
スキャナで画像を取り込んだ場合、このにじみ部分は完全な黒ではなく
やや薄いグレーとして認識されます。
モノクロマンガをデジタルで制作する場合は、グレー部分があるのは
望ましくないため、すべて完全な黒色(モノクロ)にして仕上げる必要があります。
そう考えると、スキャンで取り込む時点で表現色を[モノクロ]に
したほうが良いようにも思えますが、使用するスキャナによっては、
細かい設定無しにグレー部分を黒に変換してしまうので、本来の線画よりも
全体的に太さの印象が異なってしまう場合があります。
そのため、スキャンの際には表現色[グレー]で取り込んでおいて、CLIP STUDIO PAINT上で
モノクロ変換処理をした方が、細かい調整が可能です。
ご覧いただいた参考書では、上記の理由からグレースケールでの取り込みを
推奨していると思われます。
逆に、スキャン時点でモノクロで取り込んだ場合、画像が完全にモノクロ化されているので、
レイヤーの表現色をグレーにしたとしても、元のグレー階調がある状態には戻せません。
ただ、すでにモノクロで取り込んでいて、線の状態に特に違和感が
無いようであれば、もちろんそのまま作業いただいて問題ありません。