レイヤー「ロック」の意味

これもそうですが、不具合でない不可解な動作はだいたいPhotoshop合わせじゃないですかね。

バージョン 1.7.4 でもレイヤーロック状態が完全ではありませんでした。

animatorさんの要望が通ると、animatorさん御自身が困る事になるかも知れません。

＞ロックされたレイヤーの名称がオートアクションで変更出来てしまうので、どうにかならないでしょうか？

と、文句を仰っているという事は、オートアクションの中身に単数、もしくは複数のレイヤー名を変える動作が含まれている事になります。

そして、その動作の対象レイヤーの中にロックが掛かっているものがあって、そのレイヤー名は変えたくないのに、オートアクションの一連の流れの中で名前が変わってしまうという事であると思います。

しかし、これでもし「ロックされたレイヤーは、レイヤー名も変えられない」が実装されると、次のようなトラブルが予測できます。

ご存知のようにオートアクション機能は、アクションを再生する過程で、実行する事が不可能な命令を行おうとすると「現在○○は、実行できません。続行しますか？」とダイアログが出て、アクションが一時停止します。

しかし現在は、ロックが掛かっているレイヤーも名称変更が可能なので、レイヤー名を変えるアクション対象にロックが掛かっているレイヤーがあっても、レイヤー名変更のアクションはそのまま実行されます。

しかし「ロックされたレイヤーは、レイヤー名も変えられない」となってしまうと、一連の流れの中において、ロックされたレイヤー名を変更しようとするアクションが実行される段階で、前述のダイアログが出現してしまい、アクションが一時停止する事になると思います。

しかもアクションの対象になっているロックされたレイヤーの数だけストップが掛かる事になるわけです。ロックされたレイヤーが二つなら２回、三つなら３回といった具合に。

一連の動作を滞りなく速やかに行うのがオートアクション機能の醍醐味ですから、途中で止まってしまうのは、かなりウザイ状況だと言えると思いますけどね。

これを避けるに為には「レイヤー名の変更を含むオートアクションを実行した時に、その対象となるレイヤーにロックされたものがあった場合に限って、そのレイヤーは例外扱いとする。そしてレイヤー名を変更するというアクションの内容を無視する（よって、ダイアログは出ない)」という仕様にしなければなりません。

しかし、そういう特殊な仕様にしろとセルシスに求める事は、かなりワガママな要求だと思います。

またレイヤーをロックする場合、最後までそのままの状態でとって置きたい時などは、名前もずっとそのままの方が良いのかも知れません。しかし一方で、単に一時的にレイヤー内容の誤変更を防ぎたい為にロックする事もあります。

後者の場合は、むしろアクションによって名前が変わらないと困る場合も有り得ます。そういう使い方をする人にとっては、ロックしたレイヤー名がアクションで変更されないと、不具合が生じるわけです。

またこういう問題の時に、何でもかんでも「環境設定で切り替えられるように」と言う人もいますが、ここまでローカルな事を環境設定で云々と言うのはどうかと思います。環境設定が複雑になりすぎてしまいますから。

＞同じ動作が狙いだとすれば、まったく愚かしいことだと思います。
ここは是非、独自性を売りにしてほしいですね (^_^;)


愚かしいどころか、非常に賢明な措置だと思います。

そもそも色々な面をPhotoshopに合わせている事には、合理的な理由があると考えられます。

言うまでも無く、Photoshopは２Ｄのグラフィックソフトとしては正に標準的なものです。

昔からの使用者が多い事に加え、近年２ＤのＣＧを始めた人にとっても、Elementsを含め非常に馴染みのあるソフトであると思います。また製作時において、併用するソフトにPhotoshopを利用する人が多いのも、紛れも無い事実です。

つまりは操作性がPhotoshopと類似している事により、Photoshop経験者であれば、初めてCLIP STUDIO PAINTを使う人でも、ある程度は最初から操作が出来る可能性が高まります。

またCLIP STUDIO PAINTが、初の２Ｄ・ＣＧソフトだった人の場合でも、Photoshopを併用する時には同様に、ある程度の操作が最初から出来る事になります。

そしてその他の多くの２Ｄ・ＣＧソフトもPhotoshopの操作に類似している事から、それらのソフトからCLIP STUDIO PAINTへ移行したり併用する場合にも、操作を全て一から覚える必要が無いので、スムーズに事が運び易くなります。

もし「CLIP STUDIO PAINTは、Photoshopの真似を一切しない。独自の道を行く！」という事になってしまったら、正にガラパゴス化してしまうでしょう。

もちろんPhotoshopのやり方が、客観的に一番優れているとは言いません。

しかし現実問題として、それがスタンダードな操作法として様々な２Ｄ・ＣＧソフトに影響を与えているのですから、操作性や仕様がPhotoshopに類似するのは、より多くのユーザーの利益にかなう事だと思いますけどね。