クリスタのPC版の動作環境には搭載メモリが2G以上、8G以上とあります。
メモリとはPCにおける作業領域のようなもので、クリスタでいうところのキャンバスサイズに例えるとわかりやすいかと。大きければ大きい絵が描けますが、小さければ小さい絵しか描けませんね。
しかも、2GのうちすでにOSやバックグラウンドで動くアプリが大部分を占めますから、クリスタが使えるメモリ領域はわずかなものになります。
ですので、動作環境に記載されている「2G以上」というのはあくまで「クリスタがインストールできますよ、起動できますよ、小さいもの(=webイラスト等の軽いデータ)なら絵も描けますよ」というもので、
漫画を描こうと思ったら正直2Gでは無理があると思います。web用の4コマ漫画や数ページの同人ペーパー等ならいけるでしょうが、印刷クオリティの漫画原稿を描こうと思ったら、いくらモノクロといえど600dpiや1200dpiの解像度で大量のレイヤーを持つキャンバスが何10ページも存在するようなデータを扱うわけで…スペック不足は否めませんね。「8G以上推奨」というのはそういう漫画を描く方に向けたものだと思います。
以上を踏まえた上で、iPadの話に戻りますと…iPadの正確なスペックは
【iPadPro 12.9inch/10.5inch現行モデル】プロセッサA10x Fusion、メモリ4G、Apple Pencil対応
【iPad 9.7inch(6th現行モデル)】プロセッサA10x、メモリ2G、Apple Pencil対応
【iPadPro 9.7inch(廃盤)】プロセッサA9x、メモリ2G、Apple Pencil対応
【iPad 9.7inch(5th以前、air2含む)】プロセッサA7〜8、メモリ2G(Apple Pencil非対応)
になります。
プロセッサは上位よりA10xFusion>>A10x>A9x>>A7〜8となりますが
注目すべきは搭載メモリの方ですね。
2Gでは、前述の通りPC同様に印刷クオリティの漫画漫画原稿を一話分仕上げようとするとやはりスペック不足かと思います。
試し書きをされたということですが、B5の600dpiでもモノクロで1枚、5レイヤーくらいならもちろん大丈夫でしょう。ページものでもネーム〜下書き、ペン入れくらいまではなんとかいけるのではないでしょうか?
でも仕上げまでとなると5レイヤーでは済まないのでは?ページ数も増えると思いますし…
実際に1話分の仕上げまでをするとなると…最初はサクサク動いていても、作業が進むにつれヒストリーも溜まりますし、おそらくスペック不足でだんだんと動作が重くなっていき、最後はフリーズしたり強制終了してしまうかもしれません。
iPadのみで仕上げまで完結しようとせず、あくまでPC連動しながら要所要所での使い方をする分には問題ないと思います。または、iPadで快適に描画できるような作品(ページ少なめ、トーン少なめ、等)に限定して使われるのも良いかと思います。
長文失礼いたしました。